個人事業税の納付書が送られてきている方がおられると思います。
個人事業税は、所得税や住民税 消費税とはまた違う税金です。
職種によって事業を行っていることに対してかかる税金で
税務署(国税)ではなく お住まいの地域(地方税)から課税される税金です。
個人事業税って?
自営業(個人事業収入がある)をされている方で所得が290万以上
(年の途中で開業・廃業された方は異なります)の方に課税されます。
年間税額を8月末と11月末の2回に分けて納税するものです
いくらかかるの?
個人事業税の計算式は
(収入 − 必要経費 − 各種控除 − 事業主控除290万円)× 税率 = 個人事業税
です。
ほとんどの事業の方は第一種事業かと思いますので税率は5%
第二種(税率4%)は 畜産業と水産業と薪炭製造業
第三種(税率5%と3%)は 医業や税理士業といった士業 コンサルタント業
デザイン業 美容業など。
どんな事業を行なっていてもかかるの?
事業税は 限定列挙といって税金のかかる事業が決まっています。
逆にいうと対象となっていない事業をされたら
事業税がかからないということになります。
個人事業税のかかる事業
区分 | 税率 | 事業の種類 | |||
---|---|---|---|---|---|
第1種事業 (37業種) |
5% | 物品販売業 | 運送取扱業 | 料理店業 | 遊覧所業 |
保険業 | 船舶ていけい場業 | 飲食店業 | 商品取引業 | ||
金銭貸付業 | 倉庫業 | 周旋業 | 不動産売買業 | ||
物品貸付業 | 駐車場業 | 代理業 | 広告業 | ||
不動産貸付業 | 請負業 | 仲立業 | 興信所業 | ||
製造業 | 印刷業 | 問屋業 | 案内業 | ||
電気供給業 | 出版業 | 両替業 | 冠婚葬祭業 | ||
土石採取業 | 写真業 | 公衆浴場業 (むし風呂等) |
- | ||
電気通信事業 | 席貸業 | 演劇興行業 | - | ||
運送業 | 旅館業 | 遊技場業 | - | ||
第2種事業 (3業種) |
4% | 畜産業 | 水産業 | 薪炭製造業 | - |
第3種事業 (30業種) |
5% | 医業 | 公証人業 | 設計監督者業 | 公衆浴場業 (銭湯) |
歯科医業 | 弁理士業 | 不動産鑑定業 | 歯科衛生士業 | ||
薬剤師業 | 税理士業 | デザイン業 | 歯科技工士業 | ||
獣医業 | 公認会計士業 | 諸芸師匠業 | 測量士業 | ||
弁護士業 | 計理士業 | 理容業 | 土地家屋調査士業 | ||
司法書士業 | 社会保険労務士業 | 美容業 | 海事代理士業 | ||
行政書士業 | コンサルタント業 | クリーニング業 | 印刷製版業 | ||
3% | あんま・マッサージ又は指圧・はり・きゅう・柔道整復 その他の医業に類する事業 |
装蹄師業 |
開業届けなどの書き方によってかからないものにかかってる?!
この事業税、本来の事業ならかからないのに 事業内容の書きかたによって
事業税がかかるようになってしまう場合もあります。
たとえば畜産業なら第二種事業に該当しますが
農業は 対象事業となっておりませんので事業税はかからないことになります。
つまり畜産業と農業の両方をされている場合は畜産業の利益のみにかかるので
事業の会計をわけて管理する必要があります。
他に個人事業税がかからない事業とは?
他にかからない事業としては芸能人、スポーツ選手、作詞家、作曲家あとは執筆業
私も執筆収入があります。税理士収入は課税対象で執筆収入は課税対象外
なので確定申告の際には執筆収入の部分は確定申告書第二表の『住民税・事業税に関する事項』のところ『非課税所得など』という欄がありますので
ここに執筆での所得を書かないと全体の所得に対して税金がかかってくることになります。
対象事業以外をされている方は非課税所得を申告する必要があります。
事業税の納付書が送られてきておかしいなと思われたらちゃんと非課税所得を申告したか確認してみてください。