カフェで仕事をした時のお茶代は経費かどうか?ノマド 自営業者のカフェ利用

カフェで仕事をした時の費用は経費かどうか?

最近、カフェで勉強したりPC作業をしているのを目にすることが多いですね。

お客様でもカフェ利用の領収書が経費として提出されるのを目にすることが多くなりました。

さて、カフェの領収書って経費になるのでしょうか??

個人事業主と法人役員(1人社長)とは違う

個人事業主の方がカフェで仕事をした場合と法人役員がカフェでした場合は
「事業所得の経費」「給与所得者の経費」といった観点で判断が少々異なってきますので
今回は個人事業主が使った支払いということでお話させていただきます。

経費って?

個人事業主の場合、「どんなものが経費になるか?」については
所得税法の中で原則的に決められています。

  1. 総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
  2. その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額

また判例等では直接的因果関係のある支払い」という考え方がされています。

「直接的因果関係」ってなんでしょう??
それは 「売上を得るためには必要だった支払い」という感じです。

上記の1に該当する例をあげてみます。
たとえばパン屋さんはパンを売って売上を得ています。その売るためのパンを作るには
小麦粉はマストです。当然、小麦粉は経費ですし、経費の中でも特に「絶対的に必要だった支払い」=仕入となります。(上記の1に該当します)

あとパン屋さんがパンを納品するために配達に使う車のガソリン代は上記の2に該当します。

1人でカフェを利用した場合は経費になる?

たとえば、仕事の取引先と打ち合わせをカフェで行なった場合
これは紛れもなく経費です。勘定科目としては「会議費」を使うことが多いです。

しかし 自分ひとりでカフェで仕事をした場合の支払いは経費になるんでしょうか?

上記の考え方に照らし合わせると「業務上の費用であるかどうか」を主張できるかどうかで判断されることになります。

つまり「PC作業をするためにはカフェを利用しなければいけなかった」という状況を説明できればOKということです。

説明を受けた側(税務署)は、その状況が納得できるかどうかを総合的に判断することになるでしょう。

たとえば、パンケーキで行列している人気店でのカフェ代(パンケーキ代含む)はどうでしょう?

並んでいる人のことを考えると机の上にPCや書類をひろげて・・というのは考えにくい
「仕事をするのが目的ではなく、パンケーキを食べるのが目的で仕事をしたとこじつけて経費にしようとしているのではないか」と思われかねません。

食事代も同様で1人でランチした場合の支払いは、そのお店に入った目的は「昼食をとること」であって「仕事をすること」ではありません。よって経費性はないということになります。(取引先の誰かと食事した場合は交際費という経費になります)

1人分のレシートの場合、「珈琲を飲む目的で入店したのではなくこれは場所代として払っている」という印象をうけるレシートであれば経費性は認められると思います。
具体的にはファミレスやチェーン店カフェなどで一般的な珈琲(安価)などを頼んでいるレシートなどです。

人とあってそれぞれが割りカンで支払った場合

取引先など仕事で誰かとカフェ等に入り、それぞれが支払った場合は、レシートが1人分のレシートになります。

この場合、「1人で食事をした」=経費ではないと思われないために
レシートに「○○さんと打ち合わせ それぞれが支払い」というようにメモ書きをしておくと誤解されずにすみます。

利用人数がわからない少額領収書の場合もメモを書いておくといいでしょう。
350円の珈琲を2名分で700円という領収書なら、1人で700円のオーダーをしたのかそうでないのかは領収書からはわからないので「○○さんと打ち合わせ、2名分」と書いておくことをおすすめします。

最近では、明細がでるレシートのほうが帳票として信憑性があるといわれるのは
こういう点ですね。

毎日カフェで仕事をしている場合

自宅兼事務所で毎日カフェ利用してそこで仕事をされている方がおられます。

事業内容的にもカフェで行なえる仕事であり
珈琲一杯しか飲んでなくて実際に「仕事をするために」カフェを利用しているのがはっきりとしています。

「自宅では仕事をする気になれなくて・・」とおっしゃってカフェで仕事をされているようです。

この場合は、カフェ利用代は経費としてOKでしょう。

しかし、自宅の家賃などを一部経費化している場合、その割合等が適正かどうか?と言う別の問題が起こってきます。

自宅を事業所にしている場合、自宅にかかる支払いの一部は経費として計上できます。

経費計上できるのは、事業使用割合に応じてということになっています。
毎日毎日カフェで過ごしているのに「自宅を50%は事業として使っています」といえるでしょうか?

総合的に判断されるのでレシートにはメモをする

カフェ代は経費にならないということではなく、「業務上の費用であるかどうか」がいえれば(こじつけではなく 相手が納得する)
もちろん経費です。

そのためには、レシートにいた時間や行なった仕事内容などを書いておくというのが有効だと思います。

税務調査というのは、その年にくるのではなく数年たってからやってきます。

聞かれても「あれこれはなんの経費だっけ?」と思い出せないことも多いです。
しょうもないことを質問されないように 先に帳票などで自分の主張(これはこういう理由で経費なんです)をしておくのがいいと思います。

 

※この記事は、投稿日現在の状況、法律等に基づいて書いていますことご了承ください。








京都市左京区に事務所を構える女性税理士、
関与先と共に歩む武田美都子税理士事務所にお任せください。

事業者の悩み相談室として
所長が事業主と向き合う事務所にこだわり、必ず有資格者である税理士がお伺いし対応させていただいております。

相続の御相談 相続税・相続対策
相続は事前の対策が大事です。介護や著名な血族の相続争いも経験した税理士が親身になって御相談にのります。

セミナー講師・執筆・原稿
楽しくわかりやすい講演、聞きにこられる方の満足度が高いのが好評で、各方面からの依頼をいただいております。