扶養家族 扶養親族 被扶養者 それぞれ税金 保険で意味が違う

税金の話をする際に「扶養家族」「世帯」という言葉を使いますが
これは 「健康保険の世界」「税金の世界」でそれぞれ範囲が違うというか
意味している内容が違います。
そこに 一般の方が考える「家族」という概念もあり 間違ったことを思い込んでいる方も多いです。
この点がややこしいので こんがらがりますよね。
ちょっとまとめておきます。

妻が事業を始めたら世帯主は二人?

奥さんが事業を始めると確定申告を行うことになります。
そうなると「これは世帯が別になって家族でもないのでないか?」と思われがちです。

「世帯」という言葉は税金の世界ではあまり使われず、国民健康保険などを取り扱う区役所などて使われます。
世帯は 一つの家族として生活を共にしている人々に集まりを意味していますから
奥さんが事業を始めようが 奥さんや子供が年間103万以上稼ごうが
同じ世帯は世帯です。別世帯というわけではありません。

また事業を始められて事業主となられても「扶養親族」に該当する場合もあります。

扶養家族と扶養親族 税金の世界で使うのは扶養親族

税法の世界では「扶養親族」という言葉が使われます。
扶養親族とは

(1) 配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族をいいます。)又は都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人であること。

(2) 納税者と生計を一にしていること。

(3) 年間の合計所得が38万円以下であること。(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)

(4) 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。

の4つの条件を満たしている人のことを言います。
みなさんが思っている「扶養家族」とはちょっと意味合いが違ってきます。

税金の世界では この「扶養親族」がいれば 税金が下がることになっています。
一方 「扶養家族」といわれると お子さんが103万以上稼ごうが お父さんが生活の面倒を見ているのであれば該当するでしょう。
(扶養親族には該当しない)

健康保険(しゃほ)の世界で使うのは  被扶養者

みなさんが「扶養家族」と思われているものを健康保険の世界では 「被扶養者」といいます。

1.被保険者に主として生計を維持される直系尊属、配偶者、子、孫(曾孫は含まない)及び弟妹(兄姉は含まない)

2.被保険者に主として生計を維持され、かつ同一世帯に属する

①被保険者の3親等内の親族、

②被保険者と事実上の婚姻関係にある配偶者の父母及び子、

③前記②の配偶者の死亡後におけるその父母及び子

のどれかに該当し年間収入が130万未満であり 被保険者の年収の1/2未満である人をさします。

 

「扶養家族のままでいたい」というのも
税金上の「扶養親族」に該当したいのか 健康保険の「被扶養者」に該当したいのか
はたまた「扶養親族でもあり被扶養者でもあり」でありたいのか
整理しながら 様々な情報を見るようにしましょう。

※この記事は、投稿日現在の状況、法律等に基づいて書いていますことご了承ください。









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