年末調整の時期ですね。
あると税金がさがるもの 控除
個人の方は 1月~12月の間に稼いだ収入を元に所得税や住民税の計算が行われます。
その計算の際に例えば
・一年間で医療費をたくさん使った人⇒医療費控除
・認定されているところに寄附をした人⇒寄附金控除 というように
その一年の個人の状況に応じて税金を低くするようになっています。
これが「所得控除」といわれるものです。
そのうち「養わなければいけない家族」が多くいる人も税金が少なくなるようになっていて
これを「扶養控除」といいます。
この「扶養控除」を悪用した節税対策を売っていたコンサルというのがいて
(本当に資格のないコンサルって・・・)数年前に税理士業界でも話にでていました。
扶養控除を悪用した脱税手口
サラリーマンなど勤めて 給与をもらっている人は 基本的には確定申告は行わず
勤め先が行う年末調整で税金の申告及び確定を行います。
で、その税金を計算する作業が年末調整であり
従業員さんは「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」などの書類に扶養家族などを
記入して 税金の計算を行ってもらいます。
例えば
中国人の従業員が会社に対して「本国に奥さんと子供10人がいるのです」といって
それぞれの子供の名前と生年月日を の扶養控除 等(異動)申告書 」
に書いて提出すれば 会社は「配偶者控除」と「扶養控除」を適用させ
年収600万くらいでも全く税金がかからないことになってしまうのです。
海外のことですので
本当に10人も子供がいるのか その人たちを本当に養っているのか
確認するのも難しく
また日本のように家族同一姓とかではないので 本当に家族なのか
家族にそんな人がいるのかどうかもわからず
証明する添付書類も必要とされていなかったので
外国人従業員のいわれるまま・・・というのが実情でした。
日本で働く外国人のコミュニティーでこの手法が広がり
ほとんど税金を納めなかったという現状がありました。
不正脱税防止のため税制改正が行われました。
平成27年の税制改正では この部分に改正があり不正ができないようになっています。
平成28年分以降は
日本国外に居住する親族を「扶養控除」の対象として申請する場合には
・納税者の親族であることが確認できる書類(戸籍の附表の写し 出生証明書等)
・納税者が親族の生活等に充てるために支払いを行ったことができる書類(送金依頼書、クレジットカード利用明細書)
といった親族関係書類の添付が義務付けられることになりました。
日本国外にご家族のおられる従業員を雇っておられる
会社や個人事業主の方は
外国人十従業員さんにこの点を伝え、正しい扶養家族を記入するよう指導しましょう。
この改正があってから
平成27年までは扶養家族が6人いたのに 平成28年では2人に減ったという中国人従業員が
結構あったという会社もあります。。。
法律は性善説に基づいてつくられています。
なんだかなぁと思うことが多くなる世の中になってきてしまいました。
※この記事は、投稿日現在の状況、法律等に基づいて書いていますことご了承ください。