従業員が確定申告するので 給与所得者の扶養控除等申告書はださないといいました

年末調整の時期になると
社長や会計担当者の方から様々な問い合わせがあります。

年末調整資料をだしたくない従業員さん

副業がばれるのが嫌なのか マイナンバーを書くのが嫌なのか
たいして意図はないのか わかりませんが たまに
「従業員が 私は確定申告をするので年末調整はしないでくださいというのですが」
という話があります。
従業員さんが言っているのは2種類あって
①給与所得者の扶養控除等(異動)申告書をだしたくない

②給与所得者の扶養控除等(異動)申告書は提出してもいいが
年末調整をせずに源泉をひいたままにしておいて欲しい

の二つです。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書をだしたくない

二か所給与の乙欄者でもない限り「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は
提出してもらわなければなりません。
その年の最初の給料日の前日までに「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を
会社に提出しなければならないと法律で決まっています。
従業員さんが出したい出したくないで決められるものではなく
提出義務があるものです。
会社にとっても 税務調査の際などに確認される大事な書類ですので
きっちりと提出させるようにしましょう。
一方、もう一枚の書類
「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者控除申告書」については
だすださないは自由です。
ひくものがあるのに出さなければ本人の税金が増えるだけです。

年末調整をせずに源泉をひいたままにしておいて欲しい

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は提出するけど
年末調整を行なわないでほしいという場合は
しなくてもOKでなんでしょうか?
年収2000万円の方など一定の方は年末調整の対象外ですが、
それ以外の方は年末調整の対象となり
年末調整を受けなくてはいけません。

前職の源泉徴収票をだしたくない

転職された方は 前の職場の源泉徴収票をだすことになります。
人によっては 言えない仕事をしていて前職の源泉徴収票をだしたくない
と考えられる方もいるかもしれません。
その場合に、「年末調整拒否」となることがあるようなのですが
上記のように年末調整は拒否できるものでもないし
「確定申告するんだからいいでしょ?」という話でもありません。
会計担当者は困ると思うのですが
現職の収入でもって年末調整をすることになるでしょう。

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を出さなかったらいいんじゃな
い?

ネットでは
「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を出さなかったら
年末調整の対象者からはずれるので
年末調整を受けたくなかったら
「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」をださなきゃいいんですよ。
と書いてあるものを見かけたりしますが
屁理屈というかなんというか・・という感じです。
確かに、法律上はそうなっているのですが
「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出しないということは
二か所給与など他で働いている人 ということになります。
問題①
副業は認められている会社なのか。就業規則などで副業禁止が書かれていれば
副業をしているということが別の点から問題になってしまいます。

問題②
二か所給与など他で働いている人は 毎月の給与から引かれる源泉徴収額の
計算において「乙欄」という扱いになります。

乙欄は、甲欄(給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を提出している人)の人
と比較すると 多く税金引かなくてはいけなくて
一か月の給与が88,000円以下であっても源泉をひくことになります。
(手取りが減る)

現実的な話、本来 義務である年末調整を受けたくないがばかりに
二か所給与者の乙欄として働くというような方が
社内で優遇されるとは思えませんので
普通に年末調整を受けられたほうがいいのではと思います。

※この記事は、投稿日現在の状況、法律等に基づいて書いていますことご了承ください。

 

 

 

 









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