税金払うくらいなら家族に給与としてだしたほうが得ですよね?それって本当?

個人事業の方からよく聞かれるのが
「利益だして 税金払うくらいなら 経費使ったほうがいいですよね?」

「利益がでて税金が高くなるので それなら家族に給与払ったほうが得ですよね?」

という質問。
事業継続という意味で どうするかはおいておいて
果たして、これは得していることなのでしょうか?

家族に給与を払えば得でしょ?という考え

例えば利益が100万でたとします。このままだと100万に対して
所得税や住民税がかかります。
なので、家族への給与を支払えば
経費となって 利益が減る。
つまり 年間100万円を例えば妹に支払えば利益がゼロになって
所得税も住民税もかからなくなって 得だ!!
という話です。

経費にできる家族への給与は?

先日も書きましたが 家族に給与を支払っても原則的には経費になりません。
ただし、いくつか条件を満たせば経費として認めてもらえます。

あくまでも「認めてもらえる」です。

その条件とは
・実際に事業に従事していること
・生計を一にしている家族であること
・12月31日現在 15歳以上であること  などです。

詳しくはこちらの記事を・・・

じゃぁ、生計別の家族なら自由に給与が支払える?

同居している家族はややこしいので すでにお嫁にいった妹さん(別居)に
手伝いにきてもらい、給与を払うことにしたらどうでしょう?
実際に時給を決めて 勤務時間に応じて給与を支払えば問題ありません。
通勤交通費も支給して経費として計上することができますよね。

 

実際に税金は減って 得しているの?

ではそうやって給与を支払った場合、本当に得しているのでしょうか?

例えば、利益が200万でて、妹さんに年間給与200万を払うとします。
利益はゼロになります。
利益が200万でていると
所得税が48,500円 住民税が102,000円かかりますから
(青色申告で所得税が基礎控除のみとした試算です)
合計150,500円の納税でお金が無くなるところ これがゼロになるから
「得した!」ってことなのでしょうか・・・?

税金は全部もっていかない

 

忘れがちなのは
納めなければならない税金 = 利益  ではありません。

納めなければならない税金は

利益 × 税率 です。

残ったお金(利益)をすべて税金でもっていかれるわけではないのです。
残ったお金(利益)の一部を税金として納めるのです。

なので上記の例でいくと
確かに 150,500円の税金支払いとしてでていくお金は
減らなかったですが
その代わり 妹さんへの給与200万のお金が減っています。

つまり、本当に手伝いが必要で、誰かを雇わなければならず
「同じ給与払うなら 家族に払おう」なら意味ありますが
「税金払いたくないから」と無理やり 雇って給与を払うのであれば
ナンセンスな話です。

約15万のお金をけちるために 200万流失させているのですから・・

geralt / Pixabay

これは 本当によく誤解されている点です。

「利益がでそうだから何かかったほうがいいですよね?!」という

法人会計担当者もいらっしゃいます。

法人の場合はもっと危険なことになります。

それはまた明日・・・

※この記事は、投稿日現在の状況、法律等に基づいて書いていますことご了承ください。









京都市左京区に事務所を構える女性税理士、
関与先と共に歩む武田美都子税理士事務所にお任せください。

事業者の悩み相談室として
所長が事業主と向き合う事務所にこだわり、必ず有資格者である税理士がお伺いし対応させていただいております。

相続の御相談 相続税・相続対策
相続は事前の対策が大事です。介護や著名な血族の相続争いも経験した税理士が親身になって御相談にのります。

セミナー講師・執筆・原稿
楽しくわかりやすい講演、聞きにこられる方の満足度が高いのが好評で、各方面からの依頼をいただいております。