会社員が副業として マンション投資を進められるケースが増えているようです。
(この件についてトラブル相談も受けましたがそれはまた別の機会に・・)
投資資金が用意できるのは
会社員の夫ですが 実際に事業を行うのは妻である場合
どちらが不動産収入としての確定申告を行うのでしょうか?
できれば妻の所得として申告したいが・・・
妻が専業主婦の場合、会社員である夫は給与収入がありますので
税金を考えると収入のない妻が申告したほうが
一家の税金は低くなる可能性があります。
所得税は累進課税といって
収入が多くなるにつれて、税率もあがりますから
収入を分散させたほうが税金がさがる場合があるのです。
また夫の会社が副業を認めていない場合や
他の所得を得ることに対してあまりいいようには思われない場合は
妻の名義で申告したいですよね。
実際に事業を行っているのは妻
夫名義の土地の上に 夫が借り入れを起こしてマンションやアパートを
建てていても
会社員の夫が 賃借人との契約や入居者の苦情処理等を行うわけにはいきませんので
実際は 妻が行うことになります。
賃貸借契約書の名義も妻 入居者は妻がオーナーだと思っていて
対外的なことも妻の名前しかでることがないという状況なら
妻の事業であり 妻が確定申告をすればいいのでしょうか?
資産の権利者は誰か?
実際に事業を行っているのが妻であったとしても
妻の申告というわけにはいかないのです。
所得税基本通達(法律ではないけど 実務的な手引きみたいなものです)では
「資産から生ずる収益を享受する者がだれであるかは
その収益の基因となる資産の真実の権利者がだれであるかにより判定すべきであるが
それが明らかでない場合には、その資産の名義者が真実の権利者であるものと推定する」となっていますので
土地・建物の所有者である夫が真実の権利者ということになり
夫の不動産所得として申告することになります。
妻は無駄働き?
その不動産の貸付が事業的規模で行われているのであれば
「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出すれば
妻は夫の事業から「給与」を受け取ることができます。
ファイナンシャルプランナーの認定試験で
「父親名義の空いている土地をガレージにして申告しましょう」みたいなことが
模範解答としてあがっていましたが
税法的には 「父親の申告」ということになりますね・・・。
※この記事は、投稿日現在の状況、法律等に基づいて書いていますことご了承ください。