売上を伸ばすことは大事だけど それだけでは事業はダメになります。

「売上が昨年より増えた!」「売上が1000万超えた!」など
売り上げが伸びると 事業が成功している気になって嬉しいですよね。
「売上倍増セミナー」とか「売上を延ばそう」とか
売上げを増やすことをテーマにしたセミナーって ついつい 食いつきたくなってしまいます。
セミナー業界でも ドル箱テーマを言われていたりします(笑)
でも 「売上」にだけに心を奪われて 必死になるのは素人です。

売上は大事

売上をあげることを目指すのはとても大事です。売上=収入がないと
事業は継続していきません。
まずは 売上をあげることが大事です。
様々な経費や自分の手取りなどをねん出できる売上を
まずは目指さなければなりません。

売上が増えれば お金も増える?

売上は大事なのですが、ただただいつまでもそれを求め続けると
売上があがっているのにもかかわらず 資金足らずになることがあります。
売上があがっていれば 自然とお金も貯まっていくのではないでしょうか?
例えば
売上をあげるために 広告費を沢山使った。売れるようにするために 販売価格下げた。
というようなことを行うと
確かに売上はあがるかもしれませんが
今までより経費をかけて売上をあげることになりますから
その分 利益は少なくなります。

「売上が増える」 ≠ 「お金が残る」  ということではないのです。

なので、「売上!売上!昨年増!!」と余りにも強く思いすぎると
極端いいえば
「50万かけて48万の売上を得る」なんてことをしてしまいがちなのです。

仕入原価だけでなくそのほかの経費もかかっていること忘れずに

さすがに「50万で買ってきたものを48万で売る」ということをされる方は
おられないと思います。
忘れがちなのが その他の経費です。
「30万で仕入れたものを48万で売っているから利益がでている」かどうかは
わからないのです。
一か月の売上が 48万とします。仕入れ値は30万ですが
その他に店舗家賃が10万、電気代、バイト代、配送料などで一か月の経費が10万
かかっていたら
一か月の収入が48万 支出が50万(30+10+10)となりますので
結果 2万円の損失となってしまいます。

大事なのは売上より利益

年商5000万の売上があるA社と年商500万の売上のB社では
A社のほうが事業も大きく儲かっているようなイメージです。
しかし、A社はジュエリー卸業で一個100万のものを年間50個売っているにすぎず
B社は小売業で一個50円のものを年間10万個売っているという
のかもしれません。
また
A社は仕入れ値や経費で4880万かかっていて 利益が120万で
B社は仕入れ値や経費で200万ですんでいて 利益が300万かもしれません。

年商だけでは
その会社が儲かっているのかどうかわからないのです。

売上が大きくなると判断が鈍りやすくなる

売上が多くなってくると 動くお金も大きくなりますから
「ちゃんと利益がでているのかどうか」がわかりにくくなります。
また事業が大きくなるにつれ、取引も多数複雑化してきますので
支払いサイトや入金サイトが入り組むことも多くなり
「これだけ売上があるのだから 利益があるに違いない」と
思い込みがちになるのです。
この思い込みは大変 危険です。
「ちょっと広告費かけすぎたけど 売上あがっているし大丈夫だろう」と
判断がにぶくなってくるのです。
一つ一つは小さなミスであっても 重なっていくと事業を揺るがします。

 

売上があがると 目に見える成果として嬉しく満足しやすいものです。
そのため「売上」だけに着目しがちなのですが
「利益」にも着目して利益を伴いながら 売上があがっているか を確認してください。
これから消費税も10%に上がる予定ですので
税負担も考えると 「売上」だけに着目して事業を大きくしていくことは
大変危険だと思います。

※この記事は、投稿日現在の状況、法律等に基づいて書いていますことご了承ください。









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