昨日は、個人事業主さんが 「家族に給与払ったほうが得だ」という
考え方を説明しました。
今日は法人です。
理屈は同じなのですが
法人の場合は、キャッシュフローの悪化という 倒産につながりかねないことに
なりかねますので注意が必要です。
税金で納めるくらいなら 経費で使っちゃったほうがいいですよね?」
昨年、利益がでて納税することになった。
なんだか損した気分・・・これならなんか買って 経費をもっと使って
利益を少なくしたらいいんじゃないか・・・
と思われる社長さんも多いです。
それでいきなり交際費が増えた会社もあります(苦笑)
「会計担当者が このままだったら 税金を凄く払わなきゃ
いけないので お金使ってください といった」という話も聞いたことがあります。
いくら実務になれていても
素人(税理士資格のない人間)の言うことをを鵜呑みにしてはダメですよ・・・
昨日も書きましたが
納めなければならない税金 = 利益 ではないのです。
税金はすべてをもっていかない。
流出するお金は
利益 × 税率 です。
実際にやったらどうなる?
「このままだと利益がでそうだから 経費使います」
「税金払うくらいなら 交際費をどんどん使っちゃえ!」とやったら
どうなるのでしょう?
例えば 50万の法人税等を払ったとしましょう。
50万の税金であれば約150万くらいの法人利益がでていることになります。
(実効税率33%と前提)
「税金50万だから 50万なんか使ったらゼロだ!」
ではありません!
50万経費を使えば 利益は100万になりますので
法人税等は330,000円になり(上記前提)
500,000 - 330,000 = 170,000円が減るだけです。
間違ってやっちゃうと大変なことに
例えば、
現預金が80万あって 「税金の予測が50万だ!そんなの払うの嫌だ!」と
経費を50万使ったとします。現金は80万 - 50万 =30万
50万使っても納める税金はまだ33万ありますから
現預金の残高30万では 税金が納付できません。
納付するために借り入れを行なうか
延納(延滞税がかかります)することとなり 事業のキャッシュフローは悪化します。
法人税等50万を減らすためには
その税金を計算する際の利益分約150万を使わなければなりません。
必要なものがあって それに使うならいいのですが
無理やり、必要でもない経費を使えば 資金繰りは悪化して
そんなことをやっていたら、倒産に進んでいくのみです・・・。
もっと最悪なパターン
もっと最悪なパターンは
「利益が400万もでそうだったから 必要ないけど400万の車を買いました~」
ってパターン・・・
一つ10万以上するものは減価償却することになっています。
(特例で30万まではOK)
つまり、400万の車は一気に経費にすることができず
減価償却をして 多くとも年間約60万くらいが経費になるのみです。
となると残りの340万(400万-60万)は利益としてそのまま残ることになり
課税されます。
納税資金と車の購入代金として流出したお金の 乖離が大きくなり
かなり資金繰りを悪化させます。
間違って思い込みやすい点ですので
気を付けましょう。