「親を扶養家族にしたいのですが・・」という相談をうける場合
「税金の扶養」という意味なのか 「健康保険の扶養」という意味なのかで
説明が違ってきますので確認するようにしています。
相談者からすればどっちも同じなんですが 税金で得をしても保険で損をするということがありますのでよくお話を伺うようにしています。
親を扶養家族にして申告すると税金が低くなる
年間所得38万以下の扶養家族がいると税金上、扶養控除を受けることができ
結果、税金が低くなります。
これは同じ年収でも 「親の面倒を見ている人」と「1人で気ままに生きている人」では使えるお金が違うから同じ税金では不公平だよねぇ~
という応能負担の考え方からきています。
なので、税法上の扶養家族に該当するのに、勤め先に提出する年末調整の書類に記載しなかったり
確定申告で書かなかったりされている方は 払わなくていい税額を納めている可能性が高いので税務署か税理士に御相談ください。
特に親の年齢が70歳以上の場合
同居している70歳以上の親を扶養している場合(この場合は 税法上の扶養家族という意味です)
この扶養控除の額が大きいので「同居老親」として申告すれば 税金がかなり低くなるのです。
もちろん同居されていなくても税法上の扶養家族に該当すれば 「扶養控除」を受けることができて税金は下がります。
長期入院をしている親の場合は?
では、今までは同居していたけれど
高齢により病気治療のため1年以上長期入院をしている親は
「同居老親」として扶養家族の申告をしていいのでしょうか?
実際には 同居していません。
ただ、病気治療のための入院である限り入院期間が1年以上といった長期にわたる場合でも「同居老親」として扶養家族の申告をしてもかまわないことになっています。
老人ホーム等に入所している親の場合は?
老人ホーム等に入所している親の場合はその老人ホームが居所となるため
「同居老親」には該当しないという取り扱いです。
住民票を老人ホームの住所に移動させていなくても(住民票が扶養控除を受ける人と同じ住所であっても)その老人ホーム等が居所となるため
「住民票を残しておけば 同居となるからOK]というわけではありません。
どれくらいひいてもらえるの?
同居している
12月31日現在の年齢が70歳以上の自分や配偶者の父母・祖父母(病気の治療のため入院していてもOK)
⇒同居老親に該当 控除額58万
別居あるいは老人ホームに入居している
12月31日現在の年齢が70歳以上の自分や配偶者の父母・祖父母
⇒老人扶養親族(同居老親等以外の者)に該当 控除額48万
同居している
12月31日現在の年齢が70歳にはなっていない自分や配偶者の父母・祖父母
⇒扶養親族に該当 控除額38万
となっています。これは所得からひける所得控除の額であって
この金額分 税金が下がるというわけではありません。念のため。
しかし。所得税も住民税も扶養控除の適用となりますので
該当する親がいる場合といない場合では 税額に差はでます。