確定申告で医療費控除を受けるのに領収書が不要になる?平成29年税制改正で変わったこと

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確定申告で医療費控除を受けられる方は多いと思いますが
平成29年の確定申告(申告期限平成30年3月15日)から
医療費の領収書ではなく
健康保険組合などの医療保険者が組合員に発行する医療費通知を
添付すればOKとなりました。

 

今まではダメだった「医療費のお知らせ」

医療費通知とは、「医療費のお知らせ」とか書かれている健康保険組合から
送られてくるものです。

確定申告時期に無料相談会場に従事していると
領収書の代わりに「医療費のお知らせ」という
かかった医療機関と支払額(自己負担と保険負担)が一覧になっているものを
持ってこられている方が何人かいらっしゃいました。
今までは
「これは領収書ではないので 使えないんですよ」といって
お返ししていたのですが
今度からは これが使えるようになります。

いらないと思って「医療費のお知らせは捨ててしまった」

今までは使えなかった「医療費のお知らせ」や、
「医療費通知書兼現金給付決定通知書」など、
確定申告では使わないしと捨ててしまった方もいらっしゃるかもしれません。

慌てなくても大丈夫です。平成31年分まで(平成32年3月15日申告期限)は
従来通り、領収書の添付または提示で医療費控除を受けることができます。
これからはちゃんと残しておくようにしてください。

じゃぁ領収書は捨てていいのかな?

確定申告の際に添付したりしなくてよくなった医療費の領収書。
これはもう捨てちゃってもいいのでしょうか?
捨ててはだめです。

確定申告期限等から5年間、税務署長から求められた場合には
提示または提出が必要ですので
自宅で確定申告書の控えと共に 残しておくようにしてください。

結局、なにが楽になった?

今までは領収書を各医療機関ごとにわけて
集計をしなければいけませんでしたが
明細に合計額がでてくるので集計する手間がはぶけます。

注意すべき点

ただ、やはり医療費の領収書保存は必要だと思います。
健康保険組合などの医療保険者が組合員に発行する医療費通知には
健康保険で受けた診療分しか記載されていないはずです。
(今後変わるのかもですが)

医療通知(医療費のお知らせなど)だけを医療費控除の対象と
していると
医療費通知に記載されないけど
医療費に該当する自費診療などが抜け落ちてしまいます。

また交通費なども領収書の枚数で計算できるところがありましたが
それもしにくくなります。

なのでしばらくは医療費の領収書をメインに
医療通知と突き合わせるということがいいと思います。

 

 

結局、今回の改正は
税務署にとって一番メリットがあります。
・提出された医療費の合計があっているか、領収書を集計しなくてよくなる。

・大量の医療費の領収書を預からなくてすむ
(納税者の自宅に保管されるため)

税務署の事務軽減のために行われた改正だと思っています。

 

 

 

 

 









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